介護職をする上でのコツと注意点
利用者の尊厳を大事にするのが介護職のコツ
介護のコツ
介護の仕事をしているときに一番大事なことは、利用者の尊厳を尊重することです。利用者のことを尊重するということは、簡単に言うと利用者のことを大事にすると言うことです。介護している時に、自分は利用者のことをちゃんと尊重しているか確認できると、良い介護ができます。では、利用者の人権や尊厳を尊重していないのはどんな時なのか紹介します。
言葉で傷つけている
尊厳を傷つける例として一番多いのは、言葉で傷つけることです。特によく言われるのは、「○○ちゃん」と高齢者に対し子どものような扱いをすることです。介護の仕事はあくまでも支援者の立場で友達でも家族でもありません。さらに、先輩である高齢の方に対し「○○ちゃん」と子どものような扱いをすることはとても失礼にあたります。次は、失敗した時や間違った時に「何をしているの!」「違うでしょ!」と怒って責め立てることです。利用者は介護されるにあたって、いままでの生活を取り戻したい、今より自分でできることを増やしたいと思っています。そのため、少しでも自分でできるように挑戦しますが、挑戦の結果失敗することもあります。それに対して、責め立てるような発言をすると、利用者の挑戦心を奪ってしまうことになります。最後は、認知症が進んでしまった人がすでにご飯を食べたのに、食べたことを忘れて「ご飯が食べたい」と言いはじめた時に、「もう食べたでしょ!」と怒ってしまうことです。認知症でご飯を食べたことを忘れた人にとって、ご飯を食べていないと思うことは当たり前なのです。それに対して怒ってしまうのは、相手の感覚を否定することになってしまいます。
業務優先の考え
毎日が忙しい介護士にとっては、ついつい業務優先の考え方になりやすいです。そのため、利用者の気持ちを考えない行動をとってしまうことがあります。昔は食事介護の時に、それぞれのおかずをゆっくりと食べさせていては時間がかかるため、すべての食材を混ぜて食べやすくし、時間短縮することがありました。たしかに時間はかかりませんが、利用者にとって食べるという行為を苦痛にしてしまいました。食事を美味しく楽しく食べるという人間らしさがなくなってしまったのです。また、食べている最中に、食べ終わった食器を次から次へと片付ける行為も利用者の食べると言う楽しみを奪ってしまいます。終わった食器をすぐ片付けていくと作業効率は良くなりますが、食べている人にとっては、食事を急かされている感覚になり、ゆっくり味わうことができません。最後は、業務優先で行動しているため、利用者に話しかけられても「後でね」「もう少し待って」と待たせることです。介護士の仕事は介護が基本なので、他の業務より利用者の介護が優先されるはずなのに、緊急でなければ後回しにされてしまいます。人によっては無視する人もいます。このような行動は、利用者の人権や尊厳が尊重されていない行為になります。